たまに長距離を走りたくなります。
走ってる最中は「何でこんなことしてるんだろう」と自問自答しながら二度と走るかと思ってたりするんですけどね。時間がたつとまた走りたくなる。
ということで今回は自宅から本州最南端を目指してみました。
ストラバでルートを引いてみると自宅から本州最南端の潮岬までは230kmほど。ブルベ300kmを見据えてということもあり海沿いをなぞるようにルートを修正して304km(獲得標高は2,600m)にしてみました。目標は18時間。休憩、観光などで20km/hで走るプランです。(←これが大間違い)
スタートは深夜0時。夕日をバックに本州最南端で記念撮影ができたらいいな。
深夜は車も少なくてとても走りやすい。
大阪市、堺市、岸和田市、泉佐野市、阪南市と進みます。
予定では和歌山市内で夜明けを迎えることになります。
11月とはいえこの時間に自転車で走るととても寒い。
冷えるとオシッコがとても近くなります。もともとオシッコが近いので15分~30分毎にコンビニを見つけてはトイレに駆け込む始末。
1回のトイレピットインで5分は使ってしまいます。中々進まない自転車。
阪南市までは街灯もそこそこありとても走りやすい。
しかしそこを超えたあたりからは一気に街灯の数も減少。市街地エリアが終了し海岸と山の中を交互に走る感じになります。
光源はキャットアイのVOLT800の2個体制。
フル充電はしてきましたがバッテリーは節約するに越したことがないので2個ともLOWモードです。
しかしLOWモード(200ルーメン)でも2個だと意外と明るい。ちらほら街灯のあるこのエリアならこれで十分です。
今回用意しておいてよかったのはヘッドランプ。私はキャンプ用のもの。
進行方向を照らしてくれる、サイコンを確認するのに大いに役に立ちました。
街灯が少ないエリアでの夜間走行では必ず持っていこうと思います。
和歌山市の加太エリアの深夜走行はかなり怖かったです。
まずは山と海の温度差。山中は震えながら走っていたのに海に出ると途端に生ぬるい空気に包まれる感じ。ほんとに一気に空気が変わるんですよね。なんか幽霊でも出るんじゃないかってくらい。
あと夜の海。闇です。もの凄く圧を感じる。昼に聞く波の音は心地よいけど暗闇の中の波の音は本当に何とも言えない恐怖を感じます。(慣れたら大丈夫なのかな?)
早く走り抜けたいという一心で写真は一枚も撮ってません。というか真っ暗で何も映らないです。
和歌山県に入りしばらく進むとようやく夜が明けてきました。太陽万歳。
この時点で約80km。時刻は6時。6時間。やはりトイレのための数えきれないコンビニピットインがかなり痛い。
これはやばい。
朝食は朝マックと何となく決めていたのですが、どこのマクドナルドも営業していない!
マックって24時間営業が普通だと思ってた!俺のバカ。。。
温かいコーヒーとパンケーキを食べようと思っていたのに!
仕方なくコンビニで朝ごはんです。
さみしい。
海岸線はアップダウンが多いです。
そりゃミカン畑がたくさんあるなら山もたくさんあるよね。
しまなみ海道と同じく道路にはブルーラインが引かれています。自動車の交通量が多いところは破線になりますが、ちゃんと交差点にはどっちに曲がるのかも書いてありますし、看板なども設置されているので基本迷子になることはありません。
有田川に架かる橋にはミカンが。別の橋はオレンジ色に塗装されていました。
さすが有田市。ミカンをこれでもかとアピールしてきます。
いい感じの建物なので撮影。
痛恨の通行止め。かなり大回りしなくてはいけません。
迂回させられた挙句かなり登らされる。
登りきると絶景なのですが正直ミカン畑はもうお腹一杯な感があります。
あちこちで「ずどーん、ずどーん」と発砲音のようなものが鳴っています。
ミカンをねらった獣でも出るのでしょうか。
和歌山県は海のイメージ(白浜)がありましたが、和歌山県総面積の80%が山です。
海岸線は景色は良いのですがアップダウンが多い。しかも結構な斜度!
貧脚の私は海を見ながら気持ちよく走る余裕はありません。
随所にこんな綺麗な景色があったりするので撮影のために頻繁に止まります。
中々自転車が進みません。
時間は10時45分。距離は約150km。そんなタイミングで目の前に現れた「みちしおの湯」。
距離も丁度半分。かなり時間は押しているが温泉で一息つきたい。お腹も空いてきたことだし。
ということで「みちしおの湯」は11時開店。入り口の前で座って待ちます。
現在入館料割引中で大人600円が半額の300円です。
入館料300円、バスタオルレンタルで600円。
まずは海が見える露天風呂でほっこりします。疲れた脚をストレッチしたりほぐしたり。
最高に気持ちいい!
ランチは日替わりお造りセット。獲れたてのヒラメがあるとのことで注文!
鯛のような触感を想像していたのですが違ってました。ソフトな感じ。美味しかった!
お腹がいっぱいになると猛烈な睡魔がおそってきました。
そういえば昨日は仕事から帰ってきて少しでも寝ようと思っていたのですが緊張のせいかほとんど眠ることができませんでした。
ということで畳敷の大広間で座布団を枕に15分ほど仮眠します。
(この先のことが気になって結局仮眠はできませんでした)
のんびり休みすぎたのか漕ぎだしの猛烈に重いです。やはり温泉はゴール後に取っておくべきだったか。
時間がめちゃくちゃ押しています。ペースを上げたいところですがいい感じの被写体を見つけると、撮影せずにはいられない。
バブル遺産。ホテル川久です。
円月島(えんげつとう)です。
南紀白浜のシンボルの一つで夕景の名所としても知られています。
春分・秋分の時期には、中心部の穴を通して夕日が見えるそうです。
見事に逆光。
白良浜。季節的に寂しげな感じはありますが人が少ないので白い砂浜がよく見える。
ほんと綺麗な白です!
千畳敷の夕日。時間は16時。いやいや、こんなとろで夕日を迎えている場合ではない。
本来なら本州最南端でこの夕日を見なければならなかったのに!
自宅からここまで約230km。あと70km。
ゴールするころには真っ暗になってるなぁ。
この時点で夕日は諦めゴールすることに目標を変更します。さて残り頑張るぞ!
あれ?なぜ駅?
事の顛末はこうです。
あれから20kmほど走り、水平線に太陽が沈んでしまいました。串本まではあと50km。
けっこうな山を越えなければなりません。ウインドブレーカーを着て、フロントライトをつけ夜間走行の準備です。
あれ?ライトがつかない。1個点灯しない。フル充電のはず。もう1個はちゃんとついている。しかも点灯しないのはこの日のために買い足したライトです。
モバイルバッテリーで充電を試みるもダメ。ライト1個でいけるだろうか。VOLT800ハイモードなら?いやしかし昨晩も使用したライト、山中でバッテリー切れなんてしたら、、、想像しただけでも恐ろしい。
あとたった50km。ここまで走ってきたのに。こんなつまらないことでDNFしないとだめなのか。5分くらい考えました。
悩みましたがDNFを選択。男は引き際が肝心です。また挑戦すればいい。家に帰るまでがロングライド。そう自分に言い聞かせてDNFを決めたのでした。
近くで作業をしていたオジサンに駅はどこかと尋ねます。来た道を戻り信号を右折して川沿いにしばらく走ると駅だと教えてくれました。わざわざスマホを出して地図を見せて説明してくれた。ありがとうございます。
椿駅。
ひと昔前は温泉街として栄えていたそうです。今は旅館がほとんど廃業してしまって。こんな様子です。当時は特急も停車していたのですが今は普通しか止まりません。
結果、私はこの駅で2時間10分ほど電車を待つことになります。恐るべし田舎。
電車乗ること1時間と少し。途中、行き違いの電車がイノシシと衝突する事態が発生し余計に時間がかかってしまいました。(ついてない)
串本駅で輪行解除。電車の待ち時間と乗車時間を合わせて3時間半ほど。もう精神的に疲れ切っています。
ちなみにこのホテル。たどり着くためにヒルクライムを1個こなさないといけません。
やっとこさお部屋に到着。ロビー、フロント、エレベーター、部屋まで自転車をそのまま持っていけるのはとてもありがたいです。
翌朝。お部屋からの眺望。海なんて無かった。
朝食はビュッフェスタイルです。カツオのお茶漬けが最高でした。
チェックアウトを済ませて自転車を走らせます。昨日無念のDNFでたどり着けなかった本州最南端「潮岬」を目指します。
あー、またこのアップダウンかよ。
潮岬観光タワー。
ようやくたどり着きました。途中ワープしてしまったけど。自分の自転車をここに持ってきたという事に意味がある!
これは絶対飲むと決めていたやつ。ほんとにミカンを飲んでるって感じ!美味しい!
濃いって感じではなくてよい感じにあっさりとしている。500mlペットボトルでグビグビ飲みたい。
もう一種類あってそっちはもっと甘いらしい。
300kmを走るという事は少なくとも半日以上は自転車に乗り続けるという事。
今回のライドは夜間走行が必ずあるということでライト周りは絶対に失敗できないと気を付けていたにもかかわらずそれが理由でDNFとなってしまった。
保険として持っていった400ルーメンのヘッドライトは広範囲を照らすことができず道を照らすには少し不安だった。
今回の失敗を糧に次こそは300km走り切ってみせるぞ!