オレンジフェリーで行く!今治スタートしまなみ海道【前編】

キャンプツーリング
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サイクリストなら誰もが一度は走ってみたいと思うであろう「しまなみ海道」。

国土交通省の「ナショナルサイクルルート」に選ばれているだけあって、景色だけでなく走りやすさも素晴らしい。

サイクルステーションの存在やサイクルラックが設置されたお店が多いということもありますが、一番の理由としては「ブルーライン」の存在でしょう。
青い線の上を走っていれば誰でも迷わずゴールできという完全無敵のナビゲーションシステム。

方向音痴の私もサイコンのナビ無しで完走できたほどです。

しまなみ海道は「尾道スタート」と「今治スタート」が選択できます。
今回はより非日常を楽しむという趣旨で船旅を織り交ぜた「今治スタート」です。

ルート紹介

しまなみルート
サイコンの調子が悪く今治駅ー来島海峡大橋のログが取れていません

初めてのしまなみ海道。何事もまずは基本からということで素直にモデルコース(今治→尾道)を走ります。

モデルコースでも圧倒的スケールの橋、海と山が織りなす素晴らしい景色としまなみ海道の魅力を十二分に楽しめます。

しまなみ海道の絶景スポット第1位といわれる亀老山展望公園からの景色だけは見ておきたいので苦手なヒルクライムをルートに組み込みました。

大阪からの輪行で行く場合の交通手段

【尾道スタート】
在来線の場合、大阪駅を5:00(始発)に発車して尾道駅到着が9:57です。
そこそこ重たい自転車を担ぎ2回の乗り換えはけっこう大変です。
姫路ー尾道間の停車駅はなんと35駅。

では新幹線の場合はどうでしょうか。
新大阪駅を6:06に発車、新尾道に7:32着。乗車している時間は1時間半ほどと許容範囲ですが遠方の方ですと新大阪駅までの電車が動いていない可能性が大です。(というか動いてないです)

【今治スタート】
移動手段が電車ではなく船となります。
大阪南港フェリーターミナルから22:00出航、愛媛県東予港に翌日6:00入港です。
寝て起きたらすぐに走り出せます。
ただし東予港からスタート地点の今治駅までは24kmほど。バスもありますけど、乗りませんよね?

今回の船旅で利用するオレンジフェリー

私は人生初のしまなみ海道を走るにあたって万全の体調で挑みたかったのでフェリーを選びました。

大阪南港から東予港を結ぶ夜行フェリー。その名もオレンジフェリー。

私がもつフェリーのイメージは雑魚寝、食事が微妙、揺れる、くつろげないというあまり良いものではありませんでした。

今回、オレンジフェリーは見事にそのネガティブなイメージを覆してくれました。

いざ乗船!

建物の奥におれんじおおさかが停泊しています

大阪南港フェリーターミナルに到着したのは20時過ぎくらい。
出航は22時ですがアーリーチェックインということで20時から乗船ができます。

ちなみにここから先は気の利いた食べ物は売っていません。自販機ではアルコールの販売は無くレストランでの対面販売のみです。しかも22時半がラストオーダーです。

フェリーターミナル前の横断歩道を渡った先にセブンイレブンがあるので必要な人はそこで予め調達しておきましょう。

乗船してしまうともう外には出られません。

サイクルステーション
建物内で輪行のオンオフができるのは嬉しいです

入り口に入ると検温用のカメラが置いてあります。ハイテクです。発熱が確認された場合ここで追い返されます。

健康であれば引っ掛かりません。万全の体調で挑みましょう。
晴れてクリアーすると奥に進めます。

すぐそばのサイクルステーションで自転車をばらして輪行袋に詰め込みます。

そんなの面倒くさいという人には自転車を輪行袋に入れずにそのまま部屋へ持ち込むことができるという素晴らしいサービスがあります。

【マイバイクステイサービス】
自転車を輪行袋に入れることなく、そのままお部屋に入れるサービス。サイクルスタンドを部屋に予め用意してくれます。(数に限り有り)
電話予約が必要で有料となり1,700円です。
利用可能な部屋は『デラックスシングル』のみ。
※サイクルスタンドは数に限りあり。要予約。
※WEB予約では不可。電話で予約。
※スタンドの幅は5.6cm。それ以上のタイヤ幅は利用不可。

オレンジフェリー | 四国開発フェリー株式会社
オレンジフェリーで行く豪華な船旅。大阪南港・神戸から四国愛媛の東予・新居浜へ。松山道後温泉にも便利!20時より乗船し、船内でご入浴・お食事ができますので、ごゆっくりおくつろぎ下さい。四国オレンジフェリーは、四国(東予・新居浜)と関西(大阪・神戸)を結ぶ航路です。九四オレンジフェリーは、四国(八幡浜)と九州(臼杵)を結ぶ
乗船名簿の記入台
予約番号を忘れずに

乗船名簿に記入です。名前や連絡先、何目的で乗船するのか等を記入するだけなのでビビる必要はありません。

乗船券と朝食券
乗船券と朝食券

記入した乗客名簿を窓口に持っていき乗船券と引き換えます。
私は電話予約のみでしたのでここで支払いです。
船内レストランの朝食はこのタイミングで予約が必要です。
和食か洋食もここで選びます。それぞれ800円です。

2階が乗船口です

輪行袋を担いで階段で2階に上がります。
乗船券はこの後必要になるのですぐ出せるようにポケットに入れておきましょう。

この奥で乗船券を渡します

飛行機の搭乗風景を勝手に想像していたのですが人っ子一人いません。不安になるレベルです。

建物と船をつなぐ通路

自転車を担いでからかなりの距離を歩かされます。
これは想定外でした。非力な私には重労働です。
肩に紐が食い込んで痛い。こんなところで弱音を吐くなんてローディーの風上にも置けません。
ちなみに”マイバイクステイサービス”利用ならここを自転車を押して歩くことができます。
労力は100分の1です。
霞んで見えるあの先がゴールです。

エントランスホール

え?ここはどこ?

あの殺風景な通路から船に乗り込んだ瞬間、景色は一変します。
異世界転生レベルです。

とても豪華なエントランスホール。もうこれはタイタニック。オレンジフェリー恐るべし。
フロントで乗船券を見せて部屋の鍵を受け取ります。
予約してる部屋の種類によっては不要です。

フロント前にはクルーがスタンバイしていますので部屋番号を伝えて聞いてみるのがよいでしょう。

全室個室です

部屋案内図です。シングルとロイヤルの広さの違いに愕然とします。格差社会です。

長い廊下

長い廊下。なんて大きい船なんだ。

お部屋紹介

入り口から窓側
窓側から入り口

人生初のしまなみ海道。移動中も楽しまなきゃということで少し奮発しました。

スイートルームです。

サイクリストは機材以外にお金をかけないという風潮に逆らっていくスタイルです。

ちなみにスイート、ロイヤルのお部屋は基本は1人では予約できません。
ですが1.5人分の料金を支払うことで貸し切りで使うことができます。
1名分11,700円なので5,850円を追加で支払い合計17,550円でした。

ちなみにシングルですと最安で6,600円です。

潔癖症の人からも文句は出ないであろうピカピカのトイレ。しかもウォシュレットです。

レストランのラストオーダーは22:30です。お酒はここでしか買えません。
同じく22:30で販売終了です。

宇和島鯛めし

一番人気の「宇和島鯛めし」。1,200円。食べ方の説明書付きです。

フェリーで見られる絶景

明石海峡大橋

出航してから約1時間後。綺麗にライトアップされた明石海峡大橋を通過します。

この時間に必ず通過ということは無いそうなので23時にはデッキに出て待機することをお勧めします。

猛烈な風が吹いているのでミニ三脚で撮影しようもんならカメラ毎吹き飛ばされる可能性もありますのでご注意ください。

超巨大な橋の真下をこんな間近で見れることはなかなかありません。写真ではイマイチ伝わりにくいですがけっこう感動します。

絶景を見終わったころには潮風でベタベタになります。この後はお風呂でさっぱりしましょう。

広々快適なお風呂でした

お風呂はシャワー室と展望浴場の2種類です。

シャワー室は使用中かどうかを外からパネルで確認できるハイテク設計。
脱衣所もついて広い!しかも綺麗!そんじょそこらのジムなんかよりもよっぽど良いです。

展望浴場は外を眺めながら湯船に浸かれるのかと期待していましたがそうではありません。
窓はついていますが覗き防止の為なのか目隠しが配置されていて隙間から外がすこし見えるかなといった具合です。

洗い場にはシャンプー、コンディショナー、ボディーソープが備え付けてありタオル一枚あればよいという嬉しさ。

驚いたのはシャワーです。気持ちよい勢いでお湯が出ます。船なのに凄い!
身体を綺麗に洗ったら大きな湯船にドボンです。大の字になっても余裕の湯船。最高です。

23時半を回ったころに入ったのですが展望浴場は貸し切り状態でした。

就寝

船で畳にお布団で眠る

布団は当然ですが自分で敷きます。ぺらぺらのせんべい布団ではありません。

ウレタンマットを畳に敷き、薄めの敷パッドを被せパリパリに糊が効いたシーツで包む。
布団にもぐりこんだ瞬間笑みがこぼれます。あ、この感じ田舎のおばあちゃん家だ。すごく大好きな感じです。やっぱり布団っていいなぁ。

そんなこんなで時間は0時。東予港には6時着です。朝ごはんをそれまでに終えることを考えると5時には起きなくてはなりません。

あっという間に東予港へ

熟睡でした。普段は夜に起きちゃうタイプなんですけど朝までぐっすりです。
時刻は5:14。アラームをかけた1分前です。何という高性能な体内時計。
そそくさと着替えて朝食を食べにレストランへ向かいます。

朝食はとても大事

レストランは5:30から

レストランのオープンは5:30です。オープンを待つ人でけっこうな行列ができていました。
皆さん朝食券を握りしめて並びます。

和食を予約しました

多くもなく少なくもなく、豪華でもなく質素でもない、まさに丁度良い日本の朝ごはんです。

一品一品をちゃんとしてます。お味噌汁は玉ねぎが入っていてほんのり甘くて美味しい。
卵焼きの横にあるお味噌と何かを和えたやつはご飯がとてもすすみます。

炭水化物とタンパク質をしっかり摂れたので今日のライドの準備はこれでばっちりです。

ついに愛媛県東予港に立つ

とても涼しくて清々しい朝です

ザ・日本の朝ごはんに大満足した私は部屋に戻り着替えを済ませます。
僅か8時間の船旅。快適すぎてとても名残惜しい気分です。(まぁ、ほとんど寝てましたが)

忘れ物がないかをチェックしてフロントに鍵を返して下船します。
往復で予約している場合は荷物を全部置いていくことができます。これは便利。

ちなみに今回は約6kgのリュックを背負ってのライドです。お、重い。

さいごに

初めてのフェリーでの遠征。正直すこし不安ではありました。

しかしオレンジフェリーはまさに海の上を走るホテル。普通の旅館やホテルに宿泊するのとほとんど変わらない品質でサービスを提供してくれました。

陸の輪行も良いですが海の輪行は非日常を体験できてとても楽しいですよ。おすすめです。

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